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　　└◇2549:実を言うと [エルフのマント] 04/12 14:34<-last

字幕は誰もが「長過ぎる。ニ段組はカンベンしてほしい。読み切れない」
のみならずオリジナル英語スクリプト自体が、論争の的の、サム長台詞。

＞もっと分かり易く、かつ、脚本の意図を伝える意訳がほしい。字数の割付けが不正確にしても、一応の代案を出せないでしょうか。（連絡室＃2234 白い都様）

そう言われると、手をこまねいてもいられない。
試しに、思い切って、現行字幕の半分くらい見当で切り詰めてみました。
連絡室に出す前に、ここで叩いてもらえたら、と思ってこっちに先にアップします。
----------------

It’s like in the great stories, Mr. Frodo. The ones that really mattered. Full of darkness and danger they were. And sometimes you didn’t want to know the end. Because how could the end be happy? How could the world go back to the way it was when so much bad had happened.

[試案]
まるで物語みたいですよね　

何年たっても　忘れられない話がある

どうなるのか怖くて　でもその話をせがんだ

[ Rohan is victorious at Helm's Deep.]
But in the end, it’s only a passing thing, this shadow. Even darkness must pass. A new day will come. And when the sun shines it will shine out the clearer.

[試案]
今　おおいかぶさってる影も
永久に続いたりしません　きっと

お天道さんが　また照らしてくれます


[The sun shines on Isengard, as Merry, Pippin, and the Ents celebrate victory.]
Those were the stories that stayed with you. That meant something. Even if you were too small to understand why. But I think, Mr. Frodo, I do understand. I know now. Folk in those stories had lots of chances of turning back only they didn’t. Because they were holding on to something.

物語の中だけのことじゃない

引き返せたけど　先へ進んだ人たち

何かを信じて　投げ出さなかったんです

Frodo: What are we holding on to, Sam?

[現行字幕]　何を信じればいい？

Sam: That there’s some good in this world, Mr. Frodo. And it’s worth fighting for.
この世だって　捨てたもんじゃない　
辛い目をして　守る値うちはあります

--------------------------
私の意図を少し説明しますと、切り捨て切り詰めた他に、
(There's) some good のように、意味の範囲がとことん広い場合、
現行吹替え：「素晴らしいもの」現行字幕：「尊いもの」はいわば上限を採っていますが
私は　☆サムの台詞であるから、大仰に高尚になりすぎないように☆
してみました。

「脚本の意図」は、このパートは読解者の数だけ意見が分かれるでしょうから、「こうも読める」としか言えませんが。
「英語脚本内容に忠実に」を捨て、見て読みやすく、不自然でないように、を優先してみました。（確信犯とも言う）
------------------
《 good についての考察材料》

・参考：メリーの台詞
>all that was once green and good in this world will be gone. There won’t be a Shire, Pippin.
サムの there's some good in this world と良く似ているが、 green and good は具体的（緑の森や田畑など、シャイアそのものともいうべきイメージ）である。

・蛇足おまけ：good がどんなに広いかの例
マーフィーの法則より。
＞Anything good in life is either illegal, immoral or fattening.
これでわかること。something good というとすぐ連想するものの中には、「おいしい食べ物」は必ず入っている。「非合法」「不道徳」の理由は、「うまい話がある」「いい思いをする」という日本語表現と組み合わせると理解できる。

要するに、現世での（in life, in this world ）がついた "something good "は必ずしも「善（＝真・善・美のような理想）」を意味せず、高尚とは程遠い「場合もある」ということです。

わあ、先に覗いてみるべきでした。ハーブさんがすでに準備してくださっていたとは。
それなりに苦労したので、まあ一応読むだけ読んでやってください。かなり怪しげですが、私にはあの場面、こう聞こえたということで。（笑）

わかります【5】

何もかもどうかしてます【11】

できればこんなところに【11】いたくないですよね【9】

まるで古い物語の中に【10】迷い込んだみたいです【10】

世界は闇と恐怖に満ち【10】話の先は知りたくもない【11】

だってどう考えたって【10】良い結末になりそうにない【12】

恐ろしいことがこんなに【11】たくさん起こってしまって【12】
いったいどうすれば世界は【12】元通りになれるでしょう？【12】


でも最後にはどんなに【10】深い闇も過ぎ去ります【10】

新たな一日が来て太陽は【11】いっそう輝くでしょう【10】

心に残る物語はいつも【10】そんなふうでした【8】

なぜ旅を続けることが【10】できたんだろう【7】

聞かされた頃は小さすぎて【12】

でもフロド様【5】ようやく分かった気がします【12】

物語の登場人物たちにも【11】引き返すチャンスは山ほど【12】
あったんですね【7】ただそうしなかっただけで【12】

彼等には守り続けるものが【12】あったから【5】

僕らは何を守っているんだい？【14】

この世で大切に思う何かです【13】フロド様【4】

そいつのためなら戦えるって【13】何かです【4】

----------------
> お天道さんが　また照らしてくれます

これ、すごく好きです。（笑）

カキコ用意してやって来たら、エルフのマントさんの力作が〜。

えと、私の頭は、ここで、ハーブさんの＃2387を読んだところから始まってますので、

＞試しに、思い切って、現行字幕の半分くらい見当で切り詰めてみました。
が出発点になっております。
…と、ここまでが、今、最後につけた前置き（笑）。


話し始めたサムの最初の最初、「シャイアを遠く離れてこんなところまで来てしまった、何故こんなところにいるんだろう」みたいな感じのところは、実感がこもっていて、私、割と好きなんです。それがいきなり理性的に過ぎる調子になることで、観客としての場面の感触がいきなりズレるような気がする……という個人的感覚が、まずありまして。

＞☆サムの台詞であるから、大仰に高尚になりすぎないように☆
＞「脚本の意図」は、このパートは読解者の数だけ意見が分かれるでしょうから、「こうも読める」としか言えませんが。
＞「英語脚本内容に忠実に」を捨て、見て読みやすく、不自然でないように、を優先してみました。（確信犯とも言う）

そういうわけで、ハーブさんの意図を、さらに確信犯的に読み取ってるかもしれない（笑）私の、一視点、「その一方、私はこうも読める」です。

えと、大変な出来事の後で、溜息まじりだった感じから、始めのうちはなるべく離れないで…みたいな感じが、私の読みたい（笑）方向です。

もっちろん、自信があるとかないとかっていうレベルの話でもありませんしー。
文字数とかについての、きちんとした検証的視点は、あまり意識できてませんしー。
まー、話の輪に入る人がいるに越したことないかな…くらいのものと思ってください（笑）

最後の一言は、まだちょっと考え中（結論は出ないかもしれない^^;）。

----------------
まるで物語の中にいるみたいです
悪くしか終わらない気がして
先を聞くのが辛いほどの物語です

でも最後には影も何も去っちゃって
前よりもお日様の明るい日がくるんです

それが心に残ったわけ　わかった気がします
何かを必死に信じて　決して引き返そうとしない
そんな人達の　お話だったから
----------------

＞・蛇足おまけ：good がどんなに広いかの例
これ以下（あ、その上のメリーのも）の解説、とっても有り難かったです。
なんとなく感じてることでも、裏付けのきちんとある人に明言してもらえると、安心度が違います〜(^^)

ここのつ様、しばらくぶりです〜 (^o^)/

＞もっちろん、自信があるとかないとかっていうレベルの話でもありませんしー。
＞まー、話の輪に入る人がいるに越したことないかな…くらいのものと思ってください（笑）
はいもう、ぜひそういう感じでお願いします。私自身、他の箇所の代案と違って、制限の緩いトコで「半分趣味と思って・こういうのも面白いんじゃないか」スタンスでやることに決めましたから。

＞最後の一言は、まだちょっと考え中（結論は出ないかもしれない^^;）。
私にしても、「現行字幕の半分くらい見当で」と言っておきながら、最後の２文
> That there’s some good in this world, Mr. Frodo. And it’s worth fighting for.
のところは現行字幕より長かったりして（汗）苦しいです。よっぽど「ここ考え中」のままにしとこうと思ったんですが、「現時点では叩き台、呼び水」と言い聞かせてエイッと提示したんです。
（両方まとめて15文字程度かもしれない、普通なら。でもとりあえず字数は忘れて枠を広げて表現を捜したい）

＞解説、とっても有り難かったです。
よかった！　そういってくれると本当、甲斐があります。
---------------------
さて本題。

＞えと、大変な出来事の後で、溜息まじりだった感じから、始めのうちはなるべく離れないで…みたいな感じが、私の読みたい（笑）方向です。
＞「まるで物語の中にいるみたいです」
「まるで物語みたいですよね」（ハーブ案）よりも良いと思います。これは長考なしに採用したい（ワタシ的に、です、もちろん）。

しかし、けれども。全体として、ここは
・英語スクリプトはわざと物語の話と現実を混ぜている
過去形＝完全に昔話のこと、* this shadow * あたりの現在形は今の状況、未来形はサムから見ての近い将来ともとれるし、また「普遍的法則の will 」ともとれる。
・昔物語の話だけずっとしているように（日本語で）読ませると、直後のファラミアの
「やっと理解できた（英語と字幕は「お互いを」吹替えは「君のことを」）」
が、*唐突感倍増* なので、私としては、サムがこんな状況で長々「物語」なんぞの話をしている、という印象をいくらかでも払拭したい気持ちがあったのです。

＞物語の中だけのことじゃない（ハーブ）
これはとことん意訳ですが、Those were the stories that stayed with you. That meant something.（そういう物語がずっと心に残っているのは、幼心にも大切な意味があることが感じられたから）
But I think, Mr. Frodo, I do understand. I know now. （今になって、その大切な意味が理解できる気がする。いや、今でははっきりわかる。）
の二つを合わせ、「引き返そうと思えばそうできたけど、引き返さなかった人物たち」に積極的に自分たちの進む道を重ね合わせ、「気を取り直して、フロド様、旅をつづけましょう。立ち上がって再度先へ進みましょう」と言いたい、伝えたいサムの気持ち、それがフロドやファラミアを説得したとわかるようにしたかったのです。

ここのつ様のおっしゃる「始めのうちは溜息まじり」でスタートし、最後は「だからがんばりましょう！」にもっていく（おい＞自分）、そんな流れが作れたらいいなと思っています。

エルフのマント様、ここのつ様、さっそく応じてくださってありがとうございます！
お二方の力作・コメントともに、とても興味深く読み直し読み返しております。

英語脚本中、「好きではないパート」だったんですけど、こうやってあれこれ考えたり他の人の解釈を聞いたりすると楽しくなってきて、よし、もいっちょ上の案を出してみたい、という気になれたのが個人的には大収穫で、嬉しいです。

さて、連絡室にも書きました通り
・何人もが挑戦したが、誰も書き取りきれない（らしい）
このサム演説の字幕・吹替えの日本語訳。
おおぜいでピースを持ち寄って何とかならないものか。
というわけで、ここ英語なんでも板にも、私の「一部に過ぎません・書き取りメモ」
出しておきます。
★補完できる方、どなたでも、１行でも、足して行ってもらえると有り難いです。★

以下、確定と思われるところだけ【この濃いかっこ】にしてあります。
---------------------
It’s like in the great stories, Mr. Frodo. The ones that really mattered. Full of darkness and danger they were. And sometimes you didn’t want to know the end. Because how could the end be happy? How could the world go back to the way it was when so much bad had happened.
[吹替え断片]　偉大な物語（耳で聞いて一瞬変換に悩んだのでメモ）

[現行字幕・不完全]
心に深く残る物語の中に　入りこんだ気がします
明るい話になり得ないので　結末を聞きたくない

こんなに悪いことばかり起こった世界が　元に戻ります？

[ Rohan is victorious at Helm's Deep.]
But in the end, it’s only a passing thing, this shadow. Even darkness must pass. A new day will come. And when the sun shines it will shine out the clearer.

[現行字幕・一部分]
でもこの暗闇もいつかは消えていくでしょう
暗黒の日々さえ　終わりが来る
（不明）

[The sun shines on Isengard, as Merry, Pippin, and the Ents celebrate victory.]
Those were the stories that stayed with you. That meant something. Even if you were too small to understand why. But I think, Mr. Frodo, I do understand. I know now. Folk in those stories had lots of chances of turning back only they didn’t. Because they were holding on to something.
[吹替え断片]　登場人物たちは（上に同じくこなれていない単語なのでメモしただけ）

[現行字幕・一部分]
（不明）
なぜ　心に残ったのか　今ではよくわかる気がします
（不明）

Frodo: What are we holding on to, Sam?
[吹替え断片]　（不明）信念なんだい？
【現行字幕】　何を信じればいい？

Sam: That there’s some good in this world, Mr. Frodo. And it’s worth fighting for.
【吹替え】 この世には　命をかけて戦うに足る　素晴らしいものがあるんです
[現行字幕断片] 尊いもの

吹替版見てきたのですが、なんと筆記用具を忘れてしまい、
必死に覚えようとしたのですがやはりダメでした。帰ってきて覚えているのは次の2ヵ所だけです（しかし、なぜここなんだ？）。すみません。

> Folk in those stories had lots of chances of turning back only they didn't.
登場人物たちは 重荷を捨てて引き返す機会があったのに 帰らなかった。

> Frodo: What are we holding on to, Sam?
信念ってなんだい？

ハーブ様・BB様のものに私の書き取りメモを補完しました。
すんごい虫食い状態ですが、せっかくなのでそのまま載せておきます。

----
It’s like in the great stories, Mr. Frodo. The ones that really mattered. Full of darkness and danger they were. And sometimes you didn’t want to know the end. Because how could the end be happy? How could the world go back to the way it was when so much bad had happened.
[吹替え断片]
（ええ　酷すぎます
　ここにいること自体が間違いです　でもここにいる）
まるで偉大な物語の中にでも迷い込んだようです
闇や
幸せに終わる確信がないから

どうやって世界を元に戻せるんでしょう



[ Rohan is victorious at Helm's Deep.]
But in the end, it’s only a passing thing, this shadow. Even darkness must pass. A new day will come. And when the sun shines it will shine out the clearer.
[吹替え断片]

新しい日がやってきます　光は前にも増して明るく輝くでしょう



[The sun shines on Isengard, as Merry, Pippin, and the Ents celebrate victory.]
Those were the stories that stayed with you. That meant something. Even if you were too small to understand why. But I think, Mr. Frodo, I do understand. I know now. Folk in those stories had lots of chances of turning back only they didn’t. Because they were holding on to something.
[吹替え断片]

何故心に残ったか

登場人物たちは 重荷を捨てて引き返す機会があったのに 帰らなかった



Frodo: What are we holding on to, Sam?
【吹替え】
その信念ってなんだい？



Sam: That there’s some good in this world, Mr. Frodo. And it’s worth fighting for.
【吹替え】
この世には　命をかけて戦うに足る　素晴らしいものがあるんです
----

ハーブ様、これ以外の部分も虫食いでよろしければ　お送りしましょうか？



小ネタスレにお邪魔したいのですが、時間がありませーん(;_;)
「Nazgul & Winged Beast友の会」も素敵ですが、
私としては「モルゴスのバルログ様FANの会」に入りたいです！
FOTR初見は　ほぼ全編に渡って椅子の上に身を小さくして震え上がり、
何度見てもモリアのトロルの「んばー!!」にビクビクビックルしてしまう私ですが、
バルログ様の威嚇には恐怖よりカッコ良さのあまり目が点＆口ポカーン('o';)状態になるのを感じました。

そうそう、昨日の鑑賞で、冒頭の自由落下戦闘中にガンダルフがバルログ様に1度掴まれているのに気がつきました。
次の瞬間には岩壁にぶつかったか何かですぐに手放されてましたが。
思わず「間近で見れて羨ましい」とおバカな事を考えてしまいました。
しかしバルログ様に恋をするのは本当に命がけ。
近づいたら本当に身が焦げちゃいますからねぇ…

とりあえず、ハーブさんの提供してくださった字幕に、私が書き取れたところを追加します。実はあんまり補完できていないという結果に終わってます。信憑性も高くないと思いますので、ご容赦のほどを。
そのうち試訳もしたいなと思ってますが。

Sam: I know. It’s all wrong. By rights we shouldn’t even be here. But we are.
分かってます
こんなことになって
しかもこんな所で（以下不明）

It’s like in the great stories, Mr. Frodo. The ones that really mattered.
心に深く残る物語の中に
入り込んだ気がします

Full of darkness and danger they were. And sometimes you didn’t want to know the end.
暗闇と危険にみちた（以下不明）
明るい話になり得ないので
結末を聞きたくない

Because how could the end be happy? How could the world go back to the way it was when so much bad had happened.
こんなに悪いことばかり起こった世界が
元に戻ります？

But in the end, it’s only a passing thing, this shadow. Even darkness must pass.
でもこの暗闇もいつかは消えていくでしょう
暗黒の日々さえ　終わりが来る

A new day will come. And when the sun shines it will shine out the clearer.
新しい日がくる
太陽が照らす（前後不明）

Those were the stories that stayed with you. That meant something. Even if you were too small to understand why.
そういうのが心に残る　意味のある（以下不明）
子供のときには分からなかった（以下不明）

But I think, Mr. Frodo, I do understand. I know now.
なぜ　心に残ったのか　今ではよくわかる気がします

Folk in those stories had lots of chances of turning back only they didn’t. Because they were holding on to something.
（不明）
何かを信じて歩みつづけたのです

Frodo: What are we holding on to, Sam?
何を信じればいい？

Sam: That there’s some good in this world, Mr. Frodo. And it’s worth fighting for.
この世に命を懸けて戦うに足る
尊いものがあるんです

とりあえず、以上です。

ハーブさま、ただでさえお忙しいとお察しいたします。その上に敢えてサムの長台詞を俎上に載せられたこと、感激しました。試訳も、リズムよくサムのペーソス溢れた（？）日本語で、勉強になります。全ての箇所を吟味したわけではないのですが、現時点では一つの箇所について異議を申し立てます…私のつっこみどころは、ハーブさまやここのつ様なら見当がおつきになるでしょう。（笑）

Sam: That there’s some good in this world, Mr. Frodo. And it’s worth fighting for.

このラインに標準を絞ります。

ハーブさまの good についての次の解説は、このラインのための議論のベースとしては使えないと思います。なぜなら、something good とsome good は似て非なるものだからです。

> > ・蛇足おまけ：good がどんなに広いかの例
> マーフィーの法則より。
> ＞Anything good in life is either illegal, immoral or fattening.
> これでわかること。something good というとすぐ連想するものの中には、「おいしい食べ物」は必ず入っている。「非合法」「不道徳」の理由は、「うまい話がある」「いい思いをする」という日本語表現と組み合わせると理解できる。
> > 要するに、現世での（in life, in this world ）がついた "something good "は必ずしも「善（＝真・善・美のような理想）」を意味せず、高尚とは程遠い「場合もある」ということです。

something good　は、名詞であるsomething を形容詞である good が形容したもので、形容詞のgood は確かにおっしゃる通りおそろしく広義です。

> something good というとすぐ連想するものの中には、「おいしい食べ物」は必ず入っている。「非合法」「不道徳」の理由は、「うまい話がある」「いい思いをする」という日本語表現と組み合わせると理解できる。

賛同します。お話の内容が☆形容詞の goodについてであるという限定付きであるならば。☆

対する some good は、形容詞の some が☆名詞の good ☆を形容しているのです。辞書で名詞のgood をひいてみてください。ちなみに私の Concise Oxford Dictionary ですと、次の二義しかありません。（Oxford Thesaurusでひいても、この二義に順じた類似語しかあげていません。　あたりまえのことですが。）

1. that which is morally right; righteousness
2. benefit or advantage

映画のコンテクストとサムのレクチャーの文脈から２．は弾かれます。そうしますと、

> 現行吹替え：「素晴らしいもの」現行字幕：「尊いもの」はいわば上限を採っていますが

いいえ、違います。恣意的に「上限を採っている」のではありません。唯一残された選択肢にのっとった正当な訳を提供しているのです。ですから、ハーブさまがいわんとされるところの「下限のgood の語義」というものは good が名詞の場合はないのです。

吹き替えの訳：この世には　命をかけて戦うに足る　素晴らしいものがあるんです

は、私がオリジナルの英語から受けるイメージにぴったりのものです。私としては、これに準拠して字幕の訳を考えることを推します。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
（蛇足：ここは、個人の映画の解釈を発表する場ではなく、あくまで脚本をベースとして良訳を考えていくフォーラムですから、下の私観は蛇足として隔離します。）

Good: that which is morally right; righteousness

これからも、映画のサムどれだけ高尚かというのはわかると思います。私は（字幕なしの）英語のオリジナルを2回、ドイツ語吹き替えを一回観ていますが、この「名詞としてのgood」（そんな分析は観賞中はしていませんが）が何を意味するかは自分にとってははっきりしていましたので、とてもショックだったのです。原作でのサムだったら、口にするとはとても考えられない台詞だから。

http://

来てしまいました…

＞（確信犯とも言う）
と書くことで、お察しお見逃しいただこうと意図した私が姑息でありました。

＞ハーブさまの good についての次の解説は、このラインのための議論のベースとしては使えないと思います。なぜなら、something good とsome good は似て非なるものだからです。
＞吹き替えの訳：この世には　命をかけて戦うに足る　素晴らしいものがあるんです
＞は、私がオリジナルの英語から受けるイメージにぴったりのものです。

一言もありません。（しゅん）

はい、わかってました。で、以下は言いわけではなく「開き直り」のぶちまけですが。
英語脚本の原作乖離は読み取った上で、*吹替えアラゴルンが別人のように毅然と男らしい話し方をしているように、字幕サムをサムらしい領域に引き戻そう* と、分を越えた野心をもってしまったんです。白状します。

えーん、もう少し幻想に遊んでいたかったよー（甘えるな＞自分）

ハーブさま・・・・

・・・どうもきな臭いと思ったら、さもありなん。(--;)
なぜか連絡室ではなくご自宅で問題提起、加えて文中に埋め込まれている地雷の数々。とにかくも、だれかが聖火ランナーになって心臓部へ突撃するのは時間の問題だったでしょう。

> > ＞（確信犯とも言う）
> と書くことで、お察しお見逃しいただこうと意図した私が姑息でありました。

察して見逃すかたは、たしかにいらっしゃったかも。しかしハーブさま、この私がそんな諦観の境地に達してるとでもお思いですか？　
> > えーん、もう少し幻想に遊んでいたかったよー

judgeに引き渡します。ゴンさま、ダインさま、どうぞよろしく。

> *吹替えアラゴルンが別人のように毅然と男らしい話し方をしているように、字幕サムをサムらしい領域に引き戻そう*

That's beyond hope, and you know that!

タイトル、最初ふっと conspiracy unmasked! でいこうとして、ばっさり却下しました。そんな「高尚な」タイトルあげません。

http://

> judgeに引き渡します。ゴンさま、ダインさま、どうぞよろしく。

ゴン様はまだ年度末で四苦八苦されておいでのようなので、召喚により三畳もとい参上致しました。

ハーブ様
> > *吹替えアラゴルンが別人のように毅然と男らしい話し方をしているように、字幕サムをサムらしい領域に引き戻そう*

Evenstar様
> That's beyond hope, and you know that!
>
>吹き替えの訳：この世には 命をかけて戦うに足る 素晴らしいものがあるんです
>は、私がオリジナルの英語から受けるイメージにぴったりのものです。

どちらにも共感します。そして、個人的にはEvenstar様に一票。
ただし代案提出の路線としては、

●長すぎて眼で追いきれない部分を改善
（白い都様の連絡室での発言より。
＞もっと分かり易く、かつ、脚本の意図を伝える意訳がほしい。）

●「some good」＝「that which is morally right; righteousness」である。
ここはどれだけ「サム」という原作の人物像から乖離しているとはいえ、意訳しようにも逃げ場が無い。よって「尊いもの」という単語の事実は残しつつ、他の部分を解りやすく整えてみる。

以上で如何でしょうか。
私も「連絡室」の方に代案を入れてみます。
お手数ですが挑戦してくださった皆様、ある程度「自分の案が纏まった」と思われた時点で、以下のツリーにご投稿願えると幸いです。
http://miyako.cool.ne.jp/cgi-bin/treebbs/treebbs.cgi?log=2226

今回はFOTRに比べ、元脚本の杜撰な箇所（ピーピー）が目立ちます。
またTTTの日本語吹き替え版は、原作とよく比較し、また「映画の流れ」を考慮した結果の、大胆かつ上手い踏み込みが目立ちます。

とは言え、字幕版は字数的に吹き替え版には太刀打ち出来ない。
（吹き替えは声の演技、耳から入ってくるという付加価値を持っていますが字幕は字面のみです）

字幕の意訳が決まるとまた見事ですが、このサムの台詞は、「脚本家達が後付けで、自ら脇へ逸れた感」が非常に強い。つまり、「原作と比較して意訳の方向を決める」ことがすでに出来ない箇所です。
残されているのは、語調を整え、全体を短くする、という意味での「意訳」のみで、それ以上の踏み込みは（今回の字幕全体の翻訳均衡を崩すという意味で）危険かと思います。

業務中に急いで書きましたので纏まりきっていませんが、とりあえず一意見として書き込みします。

Evenstarさん、字幕改善連絡室ではaliveの解説をありがとうございました。

この枝につけるの、すごく恐いんですけど勇を鼓して。（笑）
さて、話題になっている

> Sam: That there's some good in this world, Mr. Frodo. And it's worth fighting for.

ですが、私は全然違うイメージを持っていました。

Evenstarさんのご指摘によれば、「good」は「善」とか「正義」の意味みたいですが、私は脳天気に文字通り「何か良きもの」と受け取っていました。
具体的に言えば、例えばサムにとっての「大切なもの」、ロージィだったり、とっつぁんだったり、フロドだったり、ホビット荘での生活だったり。
それが存在することを嬉しく思い、大切にしたいと思い、守りたい、失いたくないと願うようなものが「some good」なんだろうと思っていました。

最近は日本でも「goods＝グッズ（商品）」という言葉や認識が定着して来たせいか、私は「good」に観念的なイメージより、具体的なイメージを感じていました。
後になって、そう言えば「some」なのに「good」に「s」がついていないのは、「思い」を一個二個とは数えられないからかと勝手に納得していました。

映画のサムは現実主義者らしくて、「向き合いましょう、フロド様」なんて言うから何事かと思えば「道に迷いました」なんて言ってくれたり、この場面でも、「ここにいること自体がおかしい」と言った次の瞬間、「でも、いるんですよね」と現実を突き付けてくれたりします。
多分そのことも大きく影響しているのだと思うのですが、私はサムが実体のない観念的な話をするとは微塵も思っていませんでした。
そのせいかあらぬか、「fighting for」という言葉に対してイメージしたのも、「ギムリに対する侮辱に腹を立て、エオメルに弓を向けるレゴラス（ある意味とてもおっちょこちょい、脊髄反射のみ）」だったりします。

ですから吹き替え版の「この世には　命をかけて戦うに足る　素晴らしいものがあるのです」という訳には、逆にちょっとそこまで大袈裟なことは言っていないのでは？という違和感を持ちました。その思いはおそらくもっとずっと「個人的」なものだろうと。
敢えて訳すなら「フロド様、あなたにも自分が死んだ後も幸福に生きていて欲しい人やあり続けて欲しい大好きな風景がおありでしょう？」というのが近いです。

英語に詳しくないがゆえの幸福な誤解なのかもしれませんが、そういう解釈の仕方は不可能なんでしょうか？
もし不可能であれば、私がイメージしたような「大切な何か」を英語で表現する時はどんな言葉が使われるものなんでしょう？

サムが（多分昔、暖炉の側やたき火の近くで年寄りが話して聞かせてくれたのであろう）英雄譚、冒険譚を引き合いに出して来たせいもあって、FotRのエンディングテーマ「May It Be」や「In Dreams」のように、「暗い道をたった一人歩く時も、導きの星のように胸のうちにある、思うだけで身も心も暖まるような、大切な誰か（何か）への思い」が「some good」なのだろうと思っていたのですが。

　じゃあ、私がかわりにこのタイトルを使っちゃいます。（ちなみに元ネタは『旅の仲間』第５章）

>代案提出の路線としては、

>●長すぎて眼で追いきれない部分を改善
>もっと分かり易く、かつ、脚本の意図を伝える意訳がほしい。

　同意いたします。というか、現在の字幕の代案ということなら、そういう路線でないとスジが通らないと思います。（「だからFOTRではスッパリと短い字幕へと意訳したのよ。ようやく字幕の難しさがわかったようね、を〜ほっほっほ！by　字幕の女王←注；妄想120%、マトモに受け取ってはいけませんゾ）

　最後のセリフの扱いも、ダイン様の考えに賛成です。あまり大幅に意訳してしまうと、「あ〜ら、一作目では『英語脚本に忠実に』なんて言っていたくせに、二作目になったら『わかりやすく意訳する』になってしまうのね。まったく都合のよろしいこと、フフン！」（注；この発言はフィクションで、実在のいかなる字幕翻訳家を指すものではありません←オイオイ）と言われかねません（笑）。「代案として提出する」という前提なら、
>「尊いもの」という単語の事実は残しつつ、他の部分を解りやすく整えてみる。
という方向でいくしかないと思います。

　それはそれとして、、、。
　せっかく
>「英語脚本内容に忠実に」を捨て、見て読みやすく、不自然でないように、を優先してみました。（確信犯とも言う）
　ということでスタートしたスレッドですので、あまり原脚本にとらわれずに、原脚本をネタとした皆様の自由な発想による翻訳をいくつか拝見できると嬉しいです（完全瀬田訳サム語法による訳とか）。皆様のご投稿を心よりお待ちしております。
　ちなみに、オリジナルに批判的になればなるほど、パロディというものは書き甲斐が増してくるものであります。いっそ完全パロディ作品を目指す、、、（ん？何か勘違いしてないか）

　ちなみに私の訳は、「やっぱりあのサムは（原作に比べて）カッコ良すぎ」イメージが根底にあります（スイマセンが、ハーブ様の方針とは大部ズレてしまいます）。いっそのこと、某国首相のように「威勢はいいが、中身不明」演説にしちゃおうかな（コラ）。

ダイン様、さすがのまとめ方、ありがとうございました。

＞代案提出の路線としては、
＞●長すぎて眼で追いきれない部分を改善

＞残されているのは、語調を整え、全体を短くする、という意味での「意訳」のみで、それ以上の踏み込みは（今回の字幕全体の翻訳均衡を崩すという意味で）危険かと思います。

もちろん、日本ヘラルドに送る「改善希望・意見書（仮称）」においては、そうすべきであることに同意します。

（＃2387のような試訳を代案提案として出せるくらいなら、タイトルの「叩き台」に「？」をつけることはなかったでしょうし、最初から連絡室に「ご意見募集ツリー」を立てて真面目に作業モードでやってたことでしょう）
-----------------------------
エルフのマント様。

＞英語に詳しくないがゆえの幸福な誤解なのかもしれませんが、

そういう方々のために、わたしだったら（←仮定法）、自分が無知から誤訳したと言われる方を取りたかったです。それが「もう少し幻想に遊んでいたかった」の意味です。
でもまあ、「脳内字幕補完」の道は常に残されています…

＞そういう解釈の仕方は不可能なんでしょうか？

可能性ゼロではないと私は思っていたんですけど。仮に英語圏の人100人に（観客の中から子供もおばあさんも無作為に）訊いたとしたら、私は、100人全員が辞書通りの定義で言葉をとらえているということはないだろうと思います。推量でしかありませんけれど。
------------------------------
さんちゃん様
No.2412
＞それはそれとして、、、。
＞　せっかく（略）ですので、あまり原脚本にとらわれずに、原脚本をネタとした皆様の自由な発想による翻訳をいくつか拝見できると嬉しいです（完全瀬田訳サム語法による訳とか）。皆様のご投稿を心よりお待ちしております。

ありがとうございます。そう言っていただけるとほっとします。
開き直って「脳内字幕補完バージョン・大募集！」に切り替えましょうか(笑)。

No.2394　
＞完全に超訳ですが、
というご本人の言とはうらはらに、「サム演説・試訳　さんちゃん版 」は、意訳と省略のサジ加減が、ハーブよりまっとうで上手いと思います。ぜひ連絡室にもダイン様に続き提出していただきたいです。

＞ダインさま

ここぞのところでクリアな指針を示していただき、心よりお礼申し上げます。ダインさまの裁量に、なんの異存もございません。よろしくお取り計らいください。

それから、#2398の投稿について

行き過ぎた投稿でした。ハーブさま、この場にて無礼をお詫びします。
ひやっとした方もいらっしゃるかと思います。ご不快に思われた方、本当にごめんなさい。ハーブさまが、ご自宅にてこの長台詞の問題に取り組まれたことは、ハーブさまのお考えあってのことです。またその際におとりになっているポリシーも、翻訳のプロの方だからこそ採用された。それは私も承知しています。ですから、#2432のような自由な翻訳の試みは、私も観客席でやんややんやしながら楽しませていただきたいです。連絡室ではなく、こちらでこそ可能な上等な遊びですもの。次はやはり、帽子屋殿のセンスに舌鼓を打つ番かしら。

＞エルフのマントさま

おっかない私に、あえて質問をぶつけてくださってありがとうございました。（^^) ただ、ご質問のことは、『議論の余地がない』、すなわち『解釈の余地というグレイゾーンに属さないクリアカットな語義の問題』ですので、直レスではない単なる「解説」としてこちらでアップさせていただいてます。

> > 英語に詳しくないがゆえの幸福な誤解なのかもしれませんが、そういう解釈の仕方は不可能なんでしょうか？

はっきり申し上げますね。不可能です。なぜなら、名詞、それも「抽象名詞であるgood」は、形容詞のgood や集合名詞のgoodsともまったく「混同不可能」な、「別単語」だからです。ネイティブが、goods のイメージを抽象名詞のgood に重ねる可能性はゼロです。

「数えられるからgoods、数えられないからgood」という区別がそもそもありません。集合名詞である goods は複数表現のみでしか使用できないのです。私が、「something good と some good は似て非なるもの」、といった理由を、それではもっとつっこんでお話します。

something good （この場合のgoodは形容詞）といえば、「なんかいいもの」、それこそ日常の些事を個人の価値観で相対化して表現できる自由さがあります。ところが some good といったとたんに、「普遍的価値を持つ抽象名詞」になり、欧米のキリスト教文化の土壌に直に根ざしたインパクトを持つ。それこそブラックホール並の比重を持った言葉だというのが、私が持つ皮膚感覚です。前者だったら許してくれる、話手の恣意的な意味付け操作を拒む単語です。そして、前者は間違っても後者のような高みは目指せません。たぶん、キリスト教をご存知でなく、ましてやキリスト教文化の中で揉まれた経験をお持ちで無い方には実感がもてない説明でしょう。それでも、「こういうものなのです。」としかお話しできません。

the good and bad と対になって、日常会話のレベルでよくひょっこり出てきます。（両者ともに名詞です。念のため。）そして、to judge （動詞） も。これらは、息が詰まるほど濃い関係の中に共存している単語なのです。すなわち、「道徳的に裁く」というコンテクストにおいてです。欧米人が、白黒をはっきりさせたがるというのはきっとご存知でしょう。これが関係してくるのです。（ただし、単純な問題ではありません。実に複雑な歴史的、宗教的背景があります。）それは、あえていえば「道徳的に良しとするか、悪しとして糾弾するか」ということです。そしてその精神のありようは、法廷などの舞台で形式的に活躍するものではなく、日常生活のレベルで、個人が日々たいして意識などせずに持っている心のあり様です。（このような精神を持つ人々とやっていくのは、学ぶ事も多かれど実にしんどいことなのです。）

> もし不可能であれば、私がイメージしたような「大切な何か」を英語で表現する時はどんな言葉が使われるものなんでしょう？

私だったらそれはsomething that's dear to me とします。dearでなければ、valuable, important でもいい。でも、それはすべて to me として、サム自身にとって「個人的になくてはならないもの」という表現をはずしません。なぜなら、あげて下さった例はすべてサムにとって「パーソナルに大切なもの」で、普遍的価値とは次元が別だからです。

Evenstarさん、詳しい解説をありがとうございます。
こういったことは私が高校時代に使っていた辞書ではまったく歯が立たなくて、思い切ってお尋ねしてみて良かったです。

「The One Ring」を「その（特定の）指輪」とか「ナンバーワンの指輪」とか訳しちゃいけないというのに近いのですね。何でも自己と他者の違いをはっきりさせたがる欧米人気質の一端に触れたようで面白かったです。『最終的に向き合うのは自分と神であって、そこに人間界の諸事情など入り込む余地はない』という思想が根底にあるのでしょうね。
第二次世界大戦中、リトアニアの領事だった杉原千畝さんがユダヤ人に日本の通過ビザを出したという話を聞いて、事なかれ主義の日本人官僚の発想じゃないなと思っていたら、やはりキリスト教徒でいらしたらしくて、そういう思想的背景がないとああいう決断はできないだろうなと改めて感じ入ったことがあります。

ただ、言葉の解説としてはそれで了解できるのですが、それはこの場面（指輪物語世界）でも通用することなのだろうかという疑問は払拭し切れません。
何よりここは、それまでフロドに「しっかりしてください」「がんばってください」と言い続けて来たサムが、初めてフロドの辛さ・苦しさに同調して、それでも物語のように、もうちょっと我慢を続ければその苦しさを抜けられるかも知れない、日射しが見えるかも知れない、物語の中のそれを成し遂げた人たちには何故それが可能だったのかと言えば「Because they were holding on to something.」と自分は思いますというシーンなので、やっぱり重要なのはsomethingなのでは？という気がしてしまいます。

somethingって何？というフロドの問いに「There's some good in this world.」という言葉を持って来てしまう脚本にはいささか問題があるかもしれませんが、好意的に見做せば、サムとしてはこの時他に表現方法を思いつかなかっただけで、サム自身はそこまでご大層なことを言うつもりはなかったんじゃないかという気がしてなりません。
もちろん、私が映画のサムを見て、そのサムに対して抱いたイメージから、逆に言葉の意味を引き降ろしてしまっている可能性は高いのですが。

ともあれ、「dear」に対する認識が改まっただけでも大きな収穫でした。今まで「dear」というと、手紙の書き出しか「My dear」のような呼びかけにしか見たことがなかったので、形式的あるいは呼びかけ程度にしか使われない言葉かと思っていました。「大切な、愛しい、懐かしい」そういった感情がひっくるめられて「dear」だと認識できたことで、何か拾い物をしたような、ちょっと得をした気分です。v(^^)　ありがとうございました。

また機会がありましたらいろいろお話を聞かせてください。

Grogです。

>
> Sam: That there’s some good in this world, Mr. Frodo. And it’s worth fighting for.
>
> このラインに標準を絞ります。
(中略)
> 対する some good は、形容詞の some が☆名詞の good ☆を形容しているのです。辞書で名詞のgood をひいてみてください。ちなみに私の Concise Oxford Dictionary ですと、次の二義しかありません。（Oxford Thesaurusでひいても、この二義に順じた類似語しかあげていません。　あたりまえのことですが。）
>
> 1. that which is morally right; righteousness
> 2. benefit or advantage
>
> 映画のコンテクストとサムのレクチャーの文脈から２．は弾かれます。そうしますと、

ここがよくわかりません。
リーダーズによると、2. benefit or advantageの詳説として、
2a よいこと[もの], 望ましい事; 利益, 幸福 (happiness, advantage).
b [no, any, some, etc. と共に] 効用, 役立つこと (use).
とあり、例文として
･be any [some, much] good いくらか[多少, 大いに]役に立つ

とあります。web上のコーパスを"some good"で検索しましたが、名詞としての用例は少ないのですが、やはり、「多少役に立つ」という意味に感じました。（もっとまともなコーパスをお持ちの方、お教えください。）

ということで、
吹き替えの訳：この世には　命をかけて戦うに足る　素晴らしいものがあるんです

は少し大仰で（命をかけてなんて言っていませんし)、
この世にはちっとは役に立つものもあるんです。そのために踏ん張る値打ちのあるものが。

ぐらいではないかと思いました。

>>Grogさん、
名詞としてのgoodについてはEvenstarさんが完璧な解説を書いて下さった
ので、いちいち僕がしゃしゃり出る必要はないかもしれませんが：

「役に立つ」の意味の
･be any [some, much, no] good
には、主語は、具体的な物・事が来ます。

ここで問題になっているSamの科白は
There is some good in this worldとなっており、there is、つまり
存在を表す構文が使われており、thereは形式主語で具体的な事物を指すもの
ではなく、「なんらかのgoodがこの世に存在する」という意味に使われて
いるに過ぎません。

there is .....
と
.... is .....
は全然違うのです。ですから、there is some goodの後に、「in 動名詞」
で具体的な行為がある場合、例えば、
There is no good in reading the National Enquirer.
の様な場合は除いて、there is some/any/much/no goodが「役に立つ」
という意味になることはないのです。

Grogです。

> ここで問題になっているSamの科白は
> There is some good in this worldとなっており、there is、つまり
> 存在を表す構文が使われており、thereは形式主語で具体的な事物を指すもの
> ではなく、「なんらかのgoodがこの世に存在する」という意味に使われて
> いるに過ぎません。

なるほど、確かにそうですね。納得いたしました。

ということで、 この部分の訳は
「この世にはちっとは善いものもあるんです。そのために踏ん張る値打ちのあるものが。」

といったところでどうでしょうか？

ふさん、ありがとうございました。勉強になりました。

Grog様、すみません。きちんとした説明を書き悩んでいたら、「ふ」様が私より上手く説明してくださいました (^^;)

ふ様いつもありがとうございます。私の意見も＃2448と全く同じ、異議はありません。
-------------
ハーブは、英文を読んだり台詞を聞いたりして「何を言っているのか」を理解把握するのはまず大丈夫なんですけど（じゃなきゃ商売にならない ^^; ）、「なぜそうなのか」がいつも論理的に解っているわけではありません。
今回のサム台詞も、高尚で抽象的だ、とはっきり「感じ取り」ましたが、その根拠は？となると自分の中では薄弱なもので、たとえばGrog様の訳

＞この世にはちっとは善いものもあるんです。そのために踏ん張る値打ちのあるものが。

なんかでもOKかも…と思ってました。でも、Evenstar 様にあれだけ明解にご説明頂いた今では、やはり

＞ところが some good といったとたんに、「普遍的価値を持つ抽象名詞」になり、欧米のキリスト教文化の土壌に直に根ざしたインパクトを持つ。それこそブラックホール並の比重を持った言葉だというのが、私が持つ皮膚感覚です。（＃2434）

長年キリスト教文化圏で生活なさった方ならではの、これほどの明言は出来なくとも、「ああ、やっぱりそうなんだなあ。私が漠然と受け取っていたのもそんな感じだった」
と、否定できないのが正直なところです。

goodness というれっきとした「名詞形」があるので、名詞なのに good という語については、gone for good（永久にオサラバ）とか do you good（体にいいんだよ）といった慣用句も多いし、辞書をひいて単語自体の定義確認することもないまま、もうちょっと融通の利くものかと思っていた私には、いつもながらEvenstar 様のご講義は勉強になりました。改めてお礼申し上げます。

最後に…まだGrog様の訳（＃2449）を採用したい未練はあります、とお伝えしておきますね。
日本語としては自然だし、良い感じだと思いました。

完全に超訳ですが、まずは叩き台の数を揃えるということで。

わかります
何か間違ってる
本当は　ここにいるべきじゃない

まるで　大きな物語の中にいるみたいです
暗黒と危険に満ちた物語
その結末を知りたくない時もある

でも　最後には闇も過ぎ去り
前よりも明るい日々が来ます

そういうのが心に残る物語です
そんな物語に名を残した人は　たとえ機会が訪れても
引き返そうとはしなかった
何かを信じて進み続けたんです

（ぼくたちは何を信じればいい？）

この世界の尊いもの　戦うに値するものを


え、サムっぽくない？いや、ここで演説をしているのはサムワイズ・ギャムジーではなく、ショーン・アスティ、、（ゴホンゴホン）。

"...And it's worth fighting for. "
"I think at last we understand one another, Frodo Baggins."

この場面、ここのつ様の考察（別サイトですが；スイマセン）を参考にいたしまして、、、

フロド、ナズグルと対峙し、指輪の力と懸命に戦う
→サムがそれを助ける
→そしてサムの上記のセリフ
→フロドの姿を見、サムの言葉を聞いたファラミア
　「ホビットたちもその方法は異なれど、我々と同様に戦っているのだ。」と得心。
→上記の発言に至る

こういう脚本の流れ？とふと思いましたです。

この場合、ホビットから「戦う」という言葉が出ないと、祖国防衛に懸命に戦っているゴンドール人の共感は得られない、と脚本家が考えたのかどうか、、、。

あれ、でも、ホビットたちはファラミアの何を理解したと言うんじゃろ？しもうた、、、。

わかります。みんな何か間違ってますだ。
そもそも、おらたちはこんなところにいるはずじゃあねえのに。

まるで、なんだか大きな話の中にいるみたいですだ。
闇と危険ばかりの話で　終わりなんて知りたくもねえです。

でも、おしまいには今までよりずっと明るい日が来るようになって、めでたしめでたしっちゅうことになるんじゃねえですか。

それが心に残る話っちゅうこってすだ。昔、聞いていた頃にはわからなかっただが、いまならわかります。ああいう話に出て来る人たちってのは、途中でいくらでも引っ返す機会があったのに、そうしませんでしただ。それはああいうひとたちには、こう、何か持ち続けていたものがあったからじゃねえかと思いますだ。

（僕たちにはなにがあるんだい？）

おらにはうまく言えねえですが、でも、フロドの旦那。ちょっと思い出してくだせえまし。

（何を思い出せばいい？）

ホビット庄ですだ、フロドの旦那。おらたち、なんだかんだでこんなところまで来ちまいましたが、今になるとホビット庄での毎日がすごく懐かしく思えてきましただ。毎朝きちんと起きて庭仕事に行く、そんな毎日が。

（ロージィは？）

、、、からかわねえでくだせえまし、フロドの旦那。


え、原脚本と違い過ぎる？ムム、脳内字幕が暴走、、、。

う、うまいっ！！！

ショーン・アスティン演じるところのサムにはちょっと純朴すぎる気がしますが、私のイメージにはほぼ合致します。

> それはああいうひとたちには、こう、何か持ち続けていたものがあったからじゃねえかと思いますだ。

こういう何か言い淀むような、言葉を探しながら話す感じがあれば、こうまで嫌われなかったんじゃないかと惜しまれます。
さんちゃんさん、気合い入れて字幕案出してください。お願いします。

お見苦しいでしょうが、以下は、単細胞人間は、このように受け取っているという例です。

> →フロドの姿を見、サムの言葉を聞いたファラミア
> 　「ホビットたちもその方法は異なれど、我々と同様に戦っているのだ。」と得心。
（略）
> この場合、ホビットから「戦う」という言葉が出ないと、祖国防衛に懸命に戦っているゴンドール人の共感は得られない、と脚本家が考えたのかどうか、、、。

考えたように思われるんです（80％ぐらい）。

> あれ、でも、ホビットたちはファラミアの何を理解したと言うんじゃろ？しもうた、、、。

オスギリアスを前にして、フロドはファラミアに対して、「指輪ではゴンドールは救えない。滅びの力しかない」と言い、
オスギリアスにて、サムはファラミアに、「ボロミアは指輪を奪おうとした、指輪によって狂わされたのだ」とも言います。

ホビットたちは、すでに、ファラミアがゴンドールのために戦っている、また、そのために(ボロミアと同じように）指輪をゴンドールへ運ぼうとしている、そのことを理解しています。そして、ホビットたちが理解していることを、ファラミアはサムの演説以前の時点で知っています。

サムの演説まできて、ようやく、ファラミアのほうもホビットたちが、(意味のある）戦いをしている、それはボロミアやファラミアが考えたのとは180度違う方向、指輪を「捨て」にいくことなんだ、ということを理解するに至った。

したがって、問題のファラミアの「わかった」は、英語台詞も吹替も、同じことを言いつつ強調するところを(台詞による切断面を）変えただけ、と（SEE未見の現時点では）思えるようになりました。
英語のほうは、補うとしたら、「あなたたちは、私が何をしようとしていたか、その理由を含めてわかっておられた。（このあたりで我が脳内でのファラミアは膝を折り始める）私の方もようやく、何故指輪を使おうとするのでなく捨てようとするのか、あなたたちの使命を、その重みを、理解した」。そして、I think at last we understand one another, とつながる。

吹替のほうは、逆に、ファラミアが言わなかった「（私にも）君のことを理解できたようだ。」を台詞にし、「あなたのほうは、すでにわかっておられた。（敬意をこめて）お互い理解しあったことになりますね。」は省いた、と。

SEEには互いの人格をよりわかりあうエピソードまで含まれるのかもしれませんが、映画の中で「わかった」のはこの程度とすれば、閉じているように思われます。

＃2422、『瀬田訳サム語訳』エルフのマント様に完全に同感です。

＞う、うまいっ！！！
としか言いようがないですね。

ショーン・アスティンのサムに合わせた本気の代案。やっぱりお願いします〜
＃2394をベースに、ぜひぜひ。4/1あたり第１次締め切りで、連絡室へ。いかがでしょう？

私が＃2394で特に好きなのは
「登場人物」なんて言葉を使わずに、

＞そんな物語に名を残した人は　

としたことです。フィクションとしての物語じゃなく、昔語り、というのがこれだけでわかる。しかも、英雄の伝説のように、何かを成し遂げた賞賛すべき行動の人、ということもわかる。すばらしい。「名を残す」という日本語が、こなれていてしかも「偉大なるもの」へのつなぎをスムーズにしています。

で、私が欲を言うなら、と思った箇所は

＞暗黒と危険に満ちた物語
＞たとえ機会が訪れても

くらいかな。もうすこし熟語を減らせたらいうことなしだと思います。

わかります
何か間違ってる
本当は　ここにいるべきじゃない

まるで　大きな物語に入り込んだみたいです
中には　結末を知りたくないような
暗く　恐ろしい物語もありました

でも　最後には闇も過ぎ去り
前よりも明るい日々が来るでしょう

それが心に残る物語です
そんな物語に名を残した人は
どんなときも　引き返そうとはしなかった
何かを信じて進み続けたんです

（ぼくたちは何を信じればいい？）

この世界の　戦う価値のあるものを

-----------
　かなり原作補完されてます。
　原作で元になったセリフは、「二つの塔（下）第８章」にありますが、ここでは「本当の話」＝「歴史」となっています（と、私は理解しました）。そこで、なるべくそういう雰囲気が出るようにしたつもりです。

　ただ、'stories'という、複数形の持つ意味を訳出するのは難しいです、、、。

　最後のセリフ、敢えてgoodをぼかしてあります。これは賛否あると思いますので、ご意見を賜りたく存じます。

現行字幕補完率99％を経て、ようやく自前案を連絡室に入れることができました。

こなれきってはいませんが、後半（観客が台詞の長さに疲れた頃(^^;)）ほど削減率を上げた試作品です。

一応、脳内でショーン・Aの声（台詞）を回しながら整形してみました。「（原作の）サムの語り」という要素は考慮していません。

http://miyako.cool.ne.jp/cgi-bin/treebbs/treebbs.cgi?log=2362

連絡室で、Robin Gamgee様と、エントのねずみ様が補完して下さったものです（補完率95%）。お二方、本当にお疲れ様でした。

>分かってます
>こんなことになって
>しかもこんな所まで
>来てしまった
>心に深く残る物語の中に／入り込んだ気がします
>暗闇と危険に満ちた物語です
>明るい話になり得ないので／結末を聞きたくない
>こんなに悪いことばかり起こった世界が／元に戻ると思いますか？
>でもこの暗闇もいつかは消え去っていくのでしょう
>暗黒の日々にも終わりが・・・
>新しい日がきます
>そして太陽がより明るく輝く
>そういうのが心に残る
>意味のある深い物語です
>子供のときには分からなかった
>なぜ心に残ったのか
>今はよくわかる気がします
>物語の主人公たちは決して道を／引き返さなかった
>何かを信じて歩みつづけたのです

>（何を信じればいい？）

>この世には命を懸けて戦うに足る−
>尊いものがあるんです


確かに長いですね。

連絡室の方でRobin Gamgee様が上げて下さったものをこちらに持ってきました。

------
今日確認したところを補完しました。補完率９９％ぐらいと思いますが、確認出来る方がいらっしゃいましたら、お願いできればと思います。
参考までに台詞とのタイミングが分かるように表記しました。
【】でくくられた字幕は確定したもの。
／は２段組になっていることを表します。

I know.
【分かってます】

It's all wrong.
【こんなことになって】

By rights we shouldn't even be here.
【しかもこんな所まで】

But we are.
【来てしまった】

It’s like in the great stories, Mr. Frodo. The ones that really mattered.
【心に深く残る物語の中に／入り込んだ気がします】

Full of darkness and danger they were.
【暗闇と危険に満ちた物語】

And sometimes you didn’t want to know the end. Because how could the end be happy?
【明るい話になり得ないので／結末を聞きたくない】

How could the world go back to the way it was when so much bad had happened.
【悪いことばかり起こった世界が／元に戻ります？】

But in the end, it’s only a passing thing, this shadow.
【でもこの暗闇もいつかは／消え去ってゆくでしょう】

Even darkness must pass.
【暗黒の日々にも終わりが･･･】

A new day will come.
【新しい日がきます】

And when the sun shines it will shine out the clearer.
【そして太陽がより明るく輝く】

Those were the stories that stayed with you. That meant something.
　そういうのが心に残る／意味の深い物語です

Even if you were too small to understand why.
　子供のときには分からなくても−

　なぜ心に残ったのか

But I think, Mr. Frodo, I do understand. I know now.
　今はよく分かる気がします

Folk in those stories had lots of chances of turning back only they didn’t.
【物語の主人公たちは／決して道を引き返さなかった】
　　　
Because they were holding on to something.
　何かを信じて−

　歩みつづけたんです

Frodo: What are we holding on to, Sam?
【何を信じればいい？】

Sam: That there’s some good in this world, Mr. Frodo.
【この世には／命を懸けて戦うに足る−】

And it’s worth fighting for.
【尊いものがあるんです】


見づらいかも知れないので、整理すると以下が現段階で確認された字幕原稿になります。

分かってます
こんなことになって
しかもこんな所まで
来てしまった
心に深く残る物語の中に／入り込んだ気がします
暗闇と危険に満ちた物語
明るい話になり得ないので／結末を聞きたくない
悪いことばかり起こった世界が／元に戻ります？
でもこの暗闇もいつかは／消え去ってゆくでしょう
暗黒の日々にも終わりが･･･
新しい日がきます
そして太陽がより明るく輝く
そういうのが心に残る／意味の深い物語です
子供のときには分からなくても−
なぜ心に残ったのか
今はよく分かる気がします
物語の主人公たちは／決して道を引き返さなかった
何かを信じて−
歩みつづけたんです

何を信じればいい？

この世には／命を懸けて戦うに足る−
尊いものがあるんです

以上です。
--------

Robin Gamgee様、ありがとうございました。

さんちゃんさん、いつも連絡室にアップしていた「サム演説」の字幕をアップする度にこちらに転載していただいて、ありがとうございました。最後の補完ぐらいは、甘えないで自分でやろうと思います。

度々の補完であきれている方もいらっしゃるかと思いますが、これが最後の補完になると思いますので、ご容赦願います。

前回の時と同様に、参考までに台詞とのタイミングが分かるように表記しました。
【】でくくられた字幕は確定したもの。
／は２段組になっていることを表します。

I know.
【分かってます】

It's all wrong.
【こんなことになって】

By rights we shouldn't even be here.
【しかもこんな所まで】

（ここに長い間があります）

But we are.
【来てしまった】

It’s like in the great stories, Mr. Frodo. The ones that really mattered.
【心に深く残る物語の中に／入り込んだ気がします】

Full of darkness and danger they were.
【暗闇と危険に満ちた物語】

And sometimes you didn’t want to know the end. Because how could the end be happy?
【明るい話になり得ないので／結末を聞きたくない】

How could the world go back to the way it was when so much bad had happened.
【悪いことばかり起こった世界が／元に戻ります？】

But in the end, it’s only a passing thing, this shadow.
【でもこの暗闇もいつかは／消え去ってゆくでしょう】

Even darkness must pass.
【暗黒の日々にも終わりが･･･】

A new day will come.
【新しい日が来ます】

And when the sun shines it will shine out the clearer.
【そして太陽がより明るく輝く】

Those were the stories that stayed with you. That meant something.
【そういうのが心に残る／意味の深い物語です】

Even if you were too small to understand why.
【子供のときは分からなくても−】

But I think, Mr. Frodo, I do understand. I know now.
【なぜ心に残ったのか／今はよく分かる気がします】

Folk in those stories had lots of chances of turning back only they didn’t.
【物語の主人公たちは／決して道を引き返さなかった】

Because they were holding on to something.
【何かを信じて−】

【歩み続けたんです】

Frodo: What are we holding on to, Sam?
【何を信じればいい？】

Sam: That there’s some good in this world, Mr. Frodo.
【この世には／命を懸けて戦うに足る−】

And it’s worth fighting for.
【尊いものがあるんです】


見づらいかも知れないので、整理すると以下が確認された字幕原稿になります。

分かってます
こんなことになって
しかもこんな所まで
来てしまった
心に深く残る物語の中に／入り込んだ気がします
暗闇と危険に満ちた物語
明るい話になり得ないので／結末を聞きたくない
悪いことばかり起こった世界が／元に戻ります？
でもこの暗闇もいつかは／消え去ってゆくでしょう
暗黒の日々にも終わりが･･･
新しい日が来ます
そして太陽がより明るく輝く
そういうのが心に残る／意味の深い物語です
子供のときは分からなくても−
なぜ心に残ったのか／今はよく分かる気がします
物語の主人公たちは／決して道を引き返さなかった
何かを信じて−
歩み続けたんです

何を信じればいい？

この世には／命を懸けて戦うに足る−
尊いものがあるんです

以上です。

Robin Gamgee様、お礼が遅れました。本当に、ありがとうございました。
私が特に重要だと思うのは

＞By rights we shouldn't even be here.
＞【しかもこんな所まで】

＞（ここに長い間があります）

＞But we are.
＞【来てしまった】

この「長い間」です。
映画を再見した時にも確認。それで思ったのですが、
この直前でいったん意味を完結させたい。完結と言うといいすぎですね、「次を読まないと全然わからない切れ方は、できれば避けたい」。
さんちゃん様ダイン様、連絡室での代案最終検討に、この点と、あと

＞I know.
＞【分かってます】
⇒分かります

にすべきではないか、ご検討下さいますか。

連絡室とこちらを行ったり来たりしたサム演説。
さんちゃん様のしっかりした案をベースに、ご本人も改訂を重ねて下さり、また最後のぎりぎりになって、初期の字幕改善運動の一方の雄（！）であった「たけうち氏」のご助言を得ることができて、ほぼ「ここまでやったんだからもう十分」と言えるところまでこぎつけました。（もっと早く来てくれたら楽が出来たのにー、でも間に合って助かったから文句は言わない感謝してますー、というところがまるでガンダルフのようだ (^^;) ＞たけうち様）
今までのいきさつがあるので、こちらにもアップしておきます。
（連絡室では遠慮のある方も、こちらでは気楽に感想など書いてください。私も、もう「ご意見を反映する」つとめから解放されたので気が楽ですし）
---------------------
連絡室＃2404:サム演説Version2.22 （さんちゃん様最終案）に少しだけ変更を加えました。たけうち様のご指摘によるところが大きいです。

それと、数字がなくとも現行字幕と長さ比較が容易なように並べてみました。
【】内が現行字幕、／ は２段組になっていることを表します。（Robin Gamgee様、他の皆様、補完に次ぐ補完をありがとうございました！）

その下が字幕案の提示です。現行字幕と全く同じ箇所は、書き込みませんでした。

I know.
【分かってます】
　わかります
It's all wrong.
【こんなことになって】
　何か間違ってる
By rights we shouldn't even be here.
【しかもこんな所まで】
　こんな所にいることも
（間）
But we are.
【来てしまった】 （6）
　でも　ここにいる（7）

It’s like in the great stories, Mr. Frodo. The ones that really mattered.
【心に深く残る物語の中に／入り込んだ気がします】
　まるで昔聞いた物語の中に　いるみたいです
Full of darkness and danger they were.
【暗闇と危険に満ちた物語】
　暗く恐ろしい話では ―
And sometimes you didn’t want to know the end. Because how could the end be happy?
【明るい話になり得ないので／結末を聞きたくない】
　結末を知りたくない時も ありました
How could the world go back to the way it was when so much bad had happened？
【悪いことばかり起こった世界が／元に戻ります？】
　悪いことが起きる前に　戻れはしないから

But in the end, it’s only a passing thing, this shadow.
【でもこの暗闇もいつかは／消え去ってゆくでしょう】
　でも最後には　暗闇も去り ―
Even darkness must pass.
【暗黒の日々にも終わりが･･･】
　朝が来る
A new day will come.
【新しい日が来ます】
　太陽が前よりも ―
And when the sun shines it will shine out the clearer.
【そして太陽がより明るく輝く】
　明るく輝く日が

Those were the stories that stayed with you. That meant something.
【そういうのが心に残る／意味の深い物語です】
　それが心に残る　意味のある物語
Even if you were too small to understand why.
【子供のときは分からなくても−】
　子供の頃はわからなかった
But I think, Mr. Frodo, I do understand. I know now.
【なぜ心に残ったのか／今はよく分かる気がします】
　なぜ心に残るのか　今ならわかります
Folk in those stories had lots of chances of turning back only they didn’t.
【物語の主人公たちは／決して道を引き返さなかった】
　物語に名を残した人々は　決して 引き返さなかった

Because they were holding on to something.
【何かを信じて−】
【歩み続けたんです】

Frodo: What are we holding on to, Sam?
【何を信じればいい？】

Sam: That there’s some good in this world, Mr. Frodo.
【この世には／命を懸けて戦うに足る−】
　この世には／戦うに値する―
☆この世には／命を懸けるに値する−
And it’s worth fighting for.
【尊いものがあるんです】
-----------------------
最後の☆は、たけうち様提案ダイン様支持、ハーブは決められずに時間切れ。
すでに、さんちゃん様ご本人は☆の方を支持、エルフのマント様は「戦うに値する」支持を表明、まことにここは個人によるでしょう。
・解決策は、そう、「現行維持」！（爆）

どこが「大人しくすっこんでる」だか＞自分(^^;

サムが「命を懸ける」と言ってはいけないような気がしているのです。
フロドが「もう戻って来れないだろうな」「みんなにももう会えないだろうな」と言うところを、「戻って来れますよ」「大丈夫、みんなにもまた会えますって」と言っていたサムだから。そのサムの楽観的な発言に、フロドはどれほど救われる思いをしていただろうと思うから。サムにはフロドの隣で「希望を語る」者であって欲しい。

「みんなの幸せという大義名分のために、いざ、フロド様！
　命を懸けて滅びの山の亀裂へ参りましょう！！」

　　ちがーあぁぁうぅぅ！！！！！

でも、アラゴルンが死ぬと言っちゃダメと思う人がいても、サムが命を懸けろと言うことに誰も違和感を持たないのなら、例によって私の勘違いですね。（ションボリ(- -;）