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No688 の記事


■688 / )  RotK字幕についてご報告します
□投稿者/ ハーブ -(2004/01/10(Sat) 11:59:49)
    「ご意見箱」をはじめとする皆様の声の甲斐あってか、日本ヘラルド社内『王の帰還』試写会に出席し、字幕に意見を提出する機会を得ることがかないました。昨年同様、事前には公表ができませんでしたので、ご報告が後になりましたが、お知らせいたします。

    字幕の具体的内容は当然お伝えできませんが、全体感想は
    「誤訳と呼べるようなものは見当たらないばかりか、TTT試写会の時よりもさらに配慮と努力の跡が感じられる、良質の字幕である」というものです。問題と感じられた部分はおおむね、文尾の表現方法に限定されました。

    「昨年同様に」ということで、ゴン・ハーブ・ダインの三者が招かれました。1/6午後試写室に行き、上映終了後社内一室にて、感想を伝え、また三者間で修正願いのための指摘箇所の準備と調整をしました。

    翌1/7、「どの箇所がひっかかったか、その理由説明と代案提示」の提出原稿を共同で作成し、三者連名で送付、翌1/8の朝には担当氏に届きました。これで終わるはずでしたが、その後見落とし・よりよい代案などが出てきたので、再度1/9夕刻にとりまとめて送付しました。
    言うまでもなく、その指摘がすべて採用されるという保証はありません。しかし、私たちは三人とも、積極的な対応をしようとしている担当氏の誠意は信じられると感じましたし、昨年度も結果として「意見を無視されはせず、ちゃんと読んで検討してもらえた」ことを知っています。

    指摘リスト作成と提出のために相当の時間と力を使ってしまい、ネット上での報告が遅くなりましたことをご了解ください。

    今後は、『王の帰還』SEE追加字幕に関して、有効な働きかけができればと考えています。
    ----------------

    以上は三者共通部分、以下はハーブ個人の文章です。

    昨年と同じようなことをあえて申し上げますと、
    そうはいっても、どうか過大な期待はしないでいただきたいのです。「完璧な字幕」というものはなく、また「誰もが満足する翻訳」などというものは現実には決して存在しません。

    現に、この三者間でさえ、検討の過程で「私はこれを直したい」「えっ、私は全くひっかからなかった。そのままで良いと思う」というやりとりが幾度となく繰り返されました。これは今までになかったことです。FotRからTTT・SEEまで、『問題箇所』といえば、「何だこの訳は!」「まったくもう、ひどいもんだ」と、うなずき合うことがほとんどでしたから、なかなか意見が合わなかったというそのこと自体が、今回の字幕の質を推し量る傍証であると私は思っています(とはいえそのために昨年よりもずっと時間がかかりましたが・・・ ^^;)。
    きっと、公開のあかつきには観た方それぞれに不満な箇所があり、いろいろな意見が出ることでしょう。そもそも瀬田訳だって、嫌う人は少なくないのですから、丁寧すぎるとか乱暴すぎるとかの判断は個人差が大きい。その人物にふさわしい言葉づかいか、という問題では、いかに個々人の中で各キャラクターが違うイメージで存在しているかを痛感しました。その意味で、
    ・自分の目で見るまではわからないけれど、彼らが「良い字幕だった」と言うのなら、RotK公開を待つ間、過剰に不安を持つのはやめておこう
    と思っていただければ幸いです。

    ・「三者」ということについて
    最近になって字幕運動を知った方は、「ゴン・ハーブ・ダイン」という並び方がすんなり納得とはいかないかもしれませんので、私から少し説明させていただきます。

    ダイン様、いえ、かつてのサックビル=バギンズ氏は、字幕批判を字幕改善「運動」へとつなげた方です(『字幕糾弾・改善運動のこれまでの経緯』は http://herbs.la.coocan.jp/history.html)。先例のない「劇場における字幕書き取りと検証」「字幕改善を求めるネット署名運動」で、身を削るようにして活動なさっていたころ、私は何一つ知らず、何の行動もしていませんでした。「サックビル=バギンズ氏」がいなかったら、「ハーブ」は存在しなかったでしょう。先達として私は常に敬意を払ってきましたし、おそらくこれからもその大きな功績に対する評価が変わることはありません。そして、「実務」という、地味で労多くして報われることの少ない、不可欠の作業を、これほど長きにわたって投げ出さずに続けてくださっているゴン様に対しても、私が常に感謝しているということも言及します。私には出来ないことをゴン様がやってくださったからこそ、一昨年の一番苦しい時期に英語担当として全力を尽くすことも出来たし、日本ヘラルド、PJ監督、NL社に、多数の「声」を届けることができたのですから。

    昨年私は、「たまたまバトンを持っていた時に」と題する一文を書きました。
    http://herbs.la.coocan.jp/cgi-bin/treebbs/treebbs.cgi?log=1489
    >字幕改善運動は、大勢の人が、(一度に1人ずつではなく)バトンを渡し渡し、ここまで来たと思うのです。

    長かったです。私が途中から参加したように、途中で離れていった方々もおられます。署名してくださった方々、『ご意見箱』に書き込みなさった方々、英訳和訳を手伝ってくださった方々、個人的に手紙をお書きになった方々、励ましや慰めの言葉をかけて下さった方々・・・そのすべての皆様に、お礼を申し上げます。

    ありがとうございました。
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