| この映画に限らず、英語での笑いどころが、字幕では伝わらなくて残念なのはいつものことですが。劇場では日本人は（コメディー映画とわかってれば別として）大笑い、っての、まずしませんね。だから「やっぱりだれも笑わないのか」と思ってましたが、きっとくすっ、と静かに笑っていたのかも。
で、初見で私が（心で）大笑いしたところ（以下は字幕ツリーに行くべきかとも考えたんですが、現行字幕に不満というのではないのでこちらに）
１．ギムリの "That still counts as one!"
それまで、ヘルムでもペレンノールでも"sixteen! seventeen!" とやってた延長で、英語なら「一人」と「一頭」の区別がないから、「one と数えるからな！」つまり、派手に象を倒したレゴラスの得意そうな顔が悔しいギムリ、意訳するなら「ふん、動物を一頭倒しただけじゃないか！」「カウントはプラス１で数えるからな！」ということなんですよね。
これは字幕では表現が難しいから、「一人分」になるのは仕方ないけど、笑ってもらえるんだろうか･･･と心配でした。でもあのシーンの面白さは、ちゃんと十分伝わるようで、よかった。
２．エオメルとエオウィンの兄妹ゲンカ(^^;)
これも、ギャムリングが思わず吹き出してますが、日本語字幕だと（誰がやってもきっと）なぜ笑うのかわからないのではと思います。原文は
Eomer: You should not encourage him.
Eowyn: You should not boubt him.
Eomer: I do not doubt his heart, only the reach of his arm.
字数無視してなるべく直訳＋補足すると
エオメル：（メリーに武具を与えたりして）戦いに加わるようそそのかすべきじゃない
エオウィン：（彼は勇気もあるし真剣なのに、それを）疑うのはいけないわ
エオメル：彼の心を疑ってはいない、腕の届く長さ（リーチ）を疑っているだけだ
つまり、エオメルとしては、メリーを認めつつも現実的に戦いは無理だと言っているわけです。
思い切り意訳するなら、たとえば
「だめじゃないか、すっかりその気にさせたりして」
「勇気のある子よ、本気で戦おうとしているのに」
「その意気は買うがな。あの短い腕で剣が相手に届くか？」
くらいでしょうか（我ながら上手くいかない。吹き替え訳が楽しみです）。
なお、字幕は「体の大きさが心配なんだ」で、エオメルの優しさは出ているけど、なぜそれでギャムリングが笑うか、はわからないのでは･･･と思いました。
（「勇気は十分、背丈は不足だろ」とかの案も考えたんですが）
この場面、ほんとに兄妹（姉弟？）なんだなあ、って感じで、とても好きです。エオメルは食べものを頬張ったまましゃべってて、遠慮のない仲だというのがよく出ている。エオウィンも「何よ。それはないでしょ」って感じで、「兄上様」じゃないですね(^^;)
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