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└◇2437:
Re:「名詞としての」 good [Grog] 03/28 12:58

 └◇2448:Re[2]:「名詞としての」 good [ふ] 03/29 00:01
  └◇2449:Re[3]:「名詞としての」 good [Grog] 03/29 01:08
   └◇2451:出遅れまして(お詫びと雑談) [ハーブ] 03/29 10:43


2437● Re:「名詞としての」 good [ Grog ] 2003 03/28 12:58
Grogです。

>
> Sam: That there’s some good in this world, Mr. Frodo. And it’s worth fighting for.
>
> このラインに標準を絞ります。
(中略)
> 対する some good は、形容詞の some が☆名詞の good ☆を形容しているのです。辞書で名詞のgood をひいてみてください。ちなみに私の Concise Oxford Dictionary ですと、次の二義しかありません。(Oxford Thesaurusでひいても、この二義に順じた類似語しかあげていません。 あたりまえのことですが。)
>
> 1. that which is morally right; righteousness
> 2. benefit or advantage
>
> 映画のコンテクストとサムのレクチャーの文脈から2.は弾かれます。そうしますと、

ここがよくわかりません。
リーダーズによると、2. benefit or advantageの詳説として、
2a よいこと[もの], 望ましい事; 利益, 幸福 (happiness, advantage).
b [no, any, some, etc. と共に] 効用, 役立つこと (use).
とあり、例文として
・be any [some, much] good いくらか[多少, 大いに]役に立つ

とあります。web上のコーパスを"some good"で検索しましたが、名詞としての用例は少ないのですが、やはり、「多少役に立つ」という意味に感じました。(もっとまともなコーパスをお持ちの方、お教えください。)

ということで、
吹き替えの訳:この世には 命をかけて戦うに足る 素晴らしいものがあるんです

は少し大仰で(命をかけてなんて言っていませんし)、
この世にはちっとは役に立つものもあるんです。そのために踏ん張る値打ちのあるものが。

ぐらいではないかと思いました。
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2448● Re[2]:「名詞としての」 good [ ふ ] 2003 03/29 00:01
>>Grogさん、
名詞としてのgoodについてはEvenstarさんが完璧な解説を書いて下さった
ので、いちいち僕がしゃしゃり出る必要はないかもしれませんが:

「役に立つ」の意味の
・be any [some, much, no] good
には、主語は、具体的な物・事が来ます。

ここで問題になっているSamの科白は
There is some good in this worldとなっており、there is、つまり
存在を表す構文が使われており、thereは形式主語で具体的な事物を指すもの
ではなく、「なんらかのgoodがこの世に存在する」という意味に使われて
いるに過ぎません。

there is .....

.... is .....
は全然違うのです。ですから、there is some goodの後に、「in 動名詞」
で具体的な行為がある場合、例えば、
There is no good in reading the National Enquirer.
の様な場合は除いて、there is some/any/much/no goodが「役に立つ」
という意味になることはないのです。
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2449● Re[3]:「名詞としての」 good [ Grog ] 2003 03/29 01:08
Grogです。

> ここで問題になっているSamの科白は
> There is some good in this worldとなっており、there is、つまり
> 存在を表す構文が使われており、thereは形式主語で具体的な事物を指すもの
> ではなく、「なんらかのgoodがこの世に存在する」という意味に使われて
> いるに過ぎません。

なるほど、確かにそうですね。納得いたしました。

ということで、 この部分の訳は
「この世にはちっとは善いものもあるんです。そのために踏ん張る値打ちのあるものが。」

といったところでどうでしょうか?

ふさん、ありがとうございました。勉強になりました。
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2451● 出遅れまして(お詫びと雑談)[ ハーブ ] 2003 03/29 10:43
Grog様、すみません。きちんとした説明を書き悩んでいたら、「ふ」様が私より上手く説明してくださいました (^^;)

ふ様いつもありがとうございます。私の意見も#2448と全く同じ、異議はありません。
-------------
ハーブは、英文を読んだり台詞を聞いたりして「何を言っているのか」を理解把握するのはまず大丈夫なんですけど(じゃなきゃ商売にならない ^^; )、「なぜそうなのか」がいつも論理的に解っているわけではありません。
今回のサム台詞も、高尚で抽象的だ、とはっきり「感じ取り」ましたが、その根拠は?となると自分の中では薄弱なもので、たとえばGrog様の訳

>この世にはちっとは善いものもあるんです。そのために踏ん張る値打ちのあるものが。

なんかでもOKかも…と思ってました。でも、Evenstar 様にあれだけ明解にご説明頂いた今では、やはり

>ところが some good といったとたんに、「普遍的価値を持つ抽象名詞」になり、欧米のキリスト教文化の土壌に直に根ざしたインパクトを持つ。それこそブラックホール並の比重を持った言葉だというのが、私が持つ皮膚感覚です。(#2434)

長年キリスト教文化圏で生活なさった方ならではの、これほどの明言は出来なくとも、「ああ、やっぱりそうなんだなあ。私が漠然と受け取っていたのもそんな感じだった」
と、否定できないのが正直なところです。

goodness というれっきとした「名詞形」があるので、名詞なのに good という語については、gone for good(永久にオサラバ)とか do you good(体にいいんだよ)といった慣用句も多いし、辞書をひいて単語自体の定義確認することもないまま、もうちょっと融通の利くものかと思っていた私には、いつもながらEvenstar 様のご講義は勉強になりました。改めてお礼申し上げます。

最後に…まだGrog様の訳(#2449)を採用したい未練はあります、とお伝えしておきますね。
日本語としては自然だし、良い感じだと思いました。
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