勢いがついたので暴走の続き。しかし、早くも次の仕事が入ったので、買うのはここまででストップをかけねば。

・『ローマ人の物語』塩野七生　（新潮文庫）

10年も前から、「文庫になったら買おう」と決めていた。何しろ最初に出た版は、￥2000〜3000×10冊である。焦らず待っていたし、出たとたんに飛びつくと次が出るまでが辛いので、文庫も何冊か揃った今になってやっと手を出した。期待にたがわず良い文章だ。もったいないからじっくり読もう。
　塩野七生との出会いはご多聞に漏れずかの名著『海の都の物語（正・続） ヴェネツィア共和国の一千年』であった。その後チェーザレ・ボルジアにも惚れたし、レパントの海戦に至る三部作も面白かった。もっと若いうちに読んでいれば、もっと記憶に残っただろうにと、それが残念である。
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・『超・殺人事件』東野圭吾（新潮文庫）

「何だこの取り合わせは」と、書店のレジの人が思ったかどうか。毎度ばかばかしいお笑いを、というには辛辣な、東野圭吾のメタミステリ（？）・短編集。例によって、推理小説はもうとっくに食傷しているのに消費しつづけているような特殊人種（中毒患者）向き。帯のアオリが

日本推理作家協会、除名覚悟！

というのであるから、その過激さは推して知るべし。収録作品の最後を飾る「超読書機械」がやはり毒の効き方が一番だった。それでつい、同じ作者のまじめな長編『片思い』まで一気読みしてしまったが、ま、こちらは力作ですねとだけ言っておこう。