| 先月は劇場通いがたたって月末の仕事がすごいことになってしまい、おかげで今週は燃え尽き症候群というか、放心状態。週末も近づいてようやく立ち直りかけてきました。
そう言いながら、今日は「チャリで爆走30分」のシネコンでTTTの最終日。これは行くしかないでしょーと、懲りもせず行ってきました。結局合計14回、「ふ」様の16回には及びませんでしたが、でもわたしは君の勝ちをねたまない。君がちゃんと二本足で立ってるのが見られて、こんな嬉しいことはないもの！（意味不明）
さて、いつもバカなことばっかり書いているので、最終日ぐらいはちとまじめに。
132でハーブ様が
> 前回泣かなかったのに今回は「…ス…スメアゴル…」で大泣きしかけた。
と書いておられましたが、私もここ、弱いです。
特に、瀬田訳を読んでいて次の部分に出くわしてからダメです。
--「古い砦だよ。とても古くて、とても恐ろしくなってるよ。わしら南から伝わってきた話を聞いたものよ。スメアゴルがちっちゃい時だよ、ずっと昔よ。ああ、そうよ、わしら夕方になるとたくさんお話を聞かせてもらったのよ。大河の岸辺に坐って柳のあるところでよ。大河も若かった。ゴクリ、ゴクリ。」かれはすすり泣きながら口の中でぶつぶついいました。（二つの塔 下巻「黒門不通」より）
スメアゴルにも、家族と暮らし、友人がいた時代があった。「…ス…スメアゴル…」は、その頃の記憶を呼び覚ますキーワードのようになっていますね。CGであんな表情が出せるとは、何回見ても驚きです。「スメアゴル」と言った瞬間、目に光が差し込む演出も絶妙です。少し後の、ゴラムに "Murderer!" と言われた時の表情もたまらないですね。
そして、そんなスメアゴルに自分の姿を重ね合わせ、その深い悲しみをただ一人理解するフロド。スメアゴルを見るフロドの目。"I have to believe he can come back." というセリフ....すべてが切なすぎます。
そういうことを考えながら、エンドロールの「ゴラムの歌」を聞くと、またこれがたまらないですね。特に "We're lost, and we can never go home." のところが。
ちなみに上の部分、原文だと
-- 'The old fortress, very old, very horrible now. We used to hear tales from the South, when Smeagol was young, long ago. O yes, we used to tell lots of tales in the evening, sitting by the banks of the Great River, in the willow-lands, when the River was younder too, gollum, gollum.' He began to weep and mutter.
これだと瀬田訳ほどぐっと来ません。瀬田訳って、実にいきいきしているなあと感じさせられる一節です。「ちっちゃい時」がツボですね。
さて、これで私もようやく見納めしたことだし、来週からは仕事に専念することにします（ホンマかいな）。でも、文芸坐の2本立ての誘惑が.....（そそくさ退場）
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